2017年1月号エスト賃貸経営新聞の賃貸経営新聞|埼玉 不動産投資|株式会社エストハウジング

2017年1月号エスト賃貸経営新聞

平常な市場環境の中、平成29年の賃貸住宅市場を展望
新築増の中、築古物とのバランスを保つのが今年の課題


新しい年を迎えました。
気持ちも新たにオーナー様とともに賃貸住宅経営と取り組んで参りたいと思います。
そこで、今年は賃貸経営にとってどのような年になるのか、現状とともに今後を展望したいと思います。

昨年12月に総理府から公表された平成28年7~9月期のGDP速報値によりますと、GDP成長期は前期比プラス0.3%、年率換算でプラス1.3%と一次速報から下方修正されていますが、景気全般はプラス指向にあることから緩やかな景気改善を見せています。
賃貸経営は景気の動向に大きく左右されないといわれますが、景気はいいに越したことはありません。
そういう意味で市場環境は平常といえそうです。

足下の賃貸市場の様子ですが、不動産情報サービスのアットホームが公表している首都圏・居住用賃貸物件の市場動向を見ると、28年10月の首都圏の居住用賃貸物件契約数は、前年同月比10.5%減少して8ヵ月連続のマイナス。
東京23区のマンションは、賃料の高さが敬遠され同4ヵ月連続の二ケタ減、と厳しい側面を見せています。
ただ全般の動きとして、入居者募集の反響数、来客数、成約件数ともにここ1年、やや良・増加といった傾向となっています。

また、入居条件については、礼金、敷金(保証金)なし物件が増える一方、フリーレントが増える傾向が年々強くなっていますが、これも地域、物件によるバラつきがみられます。
そして借り手市場を象徴するかのように、入居時の条件交渉が増えているのが最近の特徴です。

ところで、市場に強い影響を及ぼす住宅流通量のカギを握る新築動向では、平成28年1~10月の全国の貸家新築合計は、前年比10.9%増の約34万5千戸。
直近の10月実績では、前年同月比で12ヵ月連続の増加となっています。
全国的に見ても地域によってやや差がありますが、この新築増の傾向は全国的に共通しています。

不動産全般の活況が後押し

新築が増え始めるきっかけは、27年1月からスタートとした相続税増税と空前の低金利。
さらには、統計的に表れにくい投資用の賃貸マンションの活況な取引きや、賃貸経営に対する積極的な投資機運が挙げられます。

「LOOKレポート」(参照)にあるように、オフィス市況の回復基調、大規模再開発事業の進捗、高水準の訪日客による購買・宿泊需要の高まりなど、不動産全般の活況が反映していることは見逃せません。

新築が増えると、築古物件が押されて苦戦しがちとなります。
新築が増える中での市場のバランスを保つことが今年の大きな課題であると思われます。
いずれにしても、新築の増加傾向は今後も続くと見られ、その対応はこれからの賃貸経営の課題となることは間違いないようです。




「賃貸併用住宅」
併用タイプ特有の課題に対応すること
仲介・管理会社との連携が重要性増す



自宅と賃貸住宅を組み合わせた「賃貸併用住宅」が人気を呼び、建設が相次いでいます。
自宅を建て替える際に立地条件がいいので、住宅ローンの返済に役立てたいと、賃貸住宅とセットにして建設するものです。
そこで賃貸併用住宅建設や運用のポイントなどをまとめてみました。

こうした併用タイプは、以前から人気が高かったのですが、相続税増税が表面化したことや土地活用に対する積極的な投資意欲が相まって、需要はいたって旺盛で、各地で建設が見られます。

ただ、土地には法的制限があるため、建物の高さ、建蔽率、容積率から建設にはいろいろな制約が出てきます。
注意しないと制約を受ける分、建物仕様が中途半端になって、賃貸入居者のニーズを十分に反映しきれなくなったりします。
注意点の一つは市場ニーズを明確に汲み取った建物を建てること。

入居者との付き合いに注意も

また、オーナー様と入居者が同じ屋根の下で住むことになり、ともに意識する度合いが高まってしまうので、気持ちの上での負担感が大きくならないように注意することです。
貸主と借主の住まいが接近して親しみが増す一方、人間関係が濃密になることから、親しくなってお付き合いが深まるのは一見いいようですが、入居者にとっていつも見られている、接触の回数が多いため、負担となってしまうものです。

新規にアパート・マンションを建てて賃貸経営するのではなく、自宅の一部を賃貸するといった感覚があるため、貸主意識が薄くなりがちですが、コスト・経費、入居者管理、クレーム対応といった賃貸経営全般の業務が当然生じます。
それだけに仲介・管理会社との連携は重要となっています。




ニュースフラッシュ
オフィス市況の回復基調や不動産投資意欲の根強さが地価を引き上げる


全国の地価動向が、国土交通省から発表された最新の「地価LOOKレポート」で読み取れます。
主要都市・高度利用地100地区を対象に、平成28年7月1日~10月1日に調査したものです。
それによりますと、三大都市圏に加え、札幌、仙台、金沢、福岡でも比較的高い地価の上昇が継続し、上昇が82地区、横ばいが18地区、下落が0地区となり、上昇地区が全体の約8割となっています。

このように上昇地区が高水準を維持している要因として、レポートは「大都市圏を中心に、空室率の改善等によるオフィス市況の回復基調が続いていること、訪日客による購買・宿泊需要が引き続き高水準にあること等を背景に、金融緩和等による良好な資金調達環境と相まって、法人投資家等による不動産投資意欲が引き続き強いことなどが考えられる」としています。
三大都市圏のうち、東京圏では約8割の地区、大阪圏はほぼ総ての地区、名古屋圏は約7割の地区がそれぞれ上昇となっています。




期待感が強い一方、流動的な「民泊」動向
本格的な運用を前に法律の整備が進む


賃貸住宅の空き部屋を有効活用できる、と期待感がやや先行した「民泊」の本格的な運用の準備が進んでいます。
1月の通常国会で「民泊新法」の審議が予定されていますが、民泊の動向は流動的です。
最近の民泊の動向を探ってみました。

民泊のユーザーである外国人の来日ペースはハイレベルな状態が続いています。
平成28年の1月から10月までの訪日外国人客数は、初めて2千万人を突破。
一方、仕事や学業で日本に中長期滞在する在留外国人は、現在約231万人を数え、過去最高となっています。
記録的な旅行者の訪日ラッシュで、ホテルは高稼働率を見せています。

こうした背景があって、平成25年12月に、規制を大幅に緩和する「国家戦略特別区域法」が施行。
旅館業法を緩和して個人宅や賃貸住宅を宿泊施設などに活用する民泊が具体的に動き出しました。
まずは東京、大阪、京都、福岡の特区エリアに旅館業法の特例を認め、特例が認められると、現行では旅館業法によって貸すことができない外国人旅行者に、一定期間賃貸住宅の滞在が認められています。

旅行者に民家を提供する民泊が広まり、インターネットを使って仲介サイトがビジネス化していますが、法的にはまだ未整備な状態です。

施設周辺の住民に不安感残す

外国人を迎える宿泊設備が不足する一方で、賃貸住宅の空き家が活用できることから、期待が高まったのですが、いざ運用が具体化すると問題点も多く、本格スタートを前に多くの課題が浮上しているのが現状です。

民泊の課題をまとめた京都市の「京都市民泊施設実態調査」結果が的を射ています。
「民泊施設の周辺住民は、施設に対して誰がどうやって営業しているか不明なことから、具体的なトラブルがなくても不快感・不安感を抱くことが多い」としています。

そんな中、管轄の国土交通省、厚生労働省は民泊に前向きの姿勢で、円滑な運用を図るための政策を打ち出し、年間の営業日数の上限を決めたり、規制緩和に着手しています。

これから民泊新法が整備されることで、さらに詳細な運用に関連する法律が決定するので、本格運用はそれからになりそうです。




賃貸経営ワンポイントアドバイス
今年は原点に戻って「物件を磨く」
建物以外の「サービス」も付加する



物件の持つ特性を引き出す

今年は賃貸経営の原点に戻って、「物件を磨く」ことに力を入れてみませんか。
「磨く」とは、物件の魅力を引き出し、付加価値を高めるための工夫や営みを指します。

各地で賃貸住宅の新築が相次いでいます。
家賃等の入居条件がそれほど変わらないと、築年数が経過した物件はどうしても不利になりがちですが、古くても古いなりの魅力を発揮して競争力を高めたいところです。

新築が増大する流通の課題を本誌では再々取り上げていますが、現実問題、新築と競争しないことには負けてしまいます。
そのための手段として、とにかく今年は物件を磨くことに工夫したいと思います。

車にワックスを塗ってゴシゴシ磨き上げるような力仕事だけでなく、物件の持つ特性を引き出すことに工夫したいものです。

ではどうすれば輝くかですが、まずは最も簡単な方法は、ホウキと雑巾を使った敷地内、共同スペースの徹底した掃除。
文字通り物件は磨き上げられます。
特別な技術も必要なく、物件を美しく保ちたいという気持ちでできることです。
四角いところを丸く掃か(拭か)ない気持ちさえあれば十分です。

徹底した清掃で物件にある種の緊張感さえ生まれます。
余談ですが、自宅兼賃貸マンションを経営されているあるオーナー様は、夜、人の行き来が落ち着いたころ、エレベータや廊下を毎日日課にして磨いているといった例もあります。

物件に建物以外の「サービス」を付加するのも方法です。
その一番は、「クレーム対応」に尽きるものはありません。
入居者の皆さんは住まいに何らかの『不満』を持たれがちで、それが最高潮に達した時、退去されます。
入居者目線に立って、ささいなことにも対応する姿勢と、その実行力を前面に出すことが、入居者の不満解消に役立つこと請け合いです。




ちょっと一服
感慨深い新しい年の始まり
市場の活発な動きに期待



新年あけましておめでとうございます。
オーナー様、お取引先の皆様、いい年をお迎えでしょうか。
今年一年、昨年同様にお世話になります。
昨年にも増してお引き廻しのほどお願い申し上げます。

季節感が年々薄れるといわれますが、新年を迎えるお正月はやはり特有の風情があります。
とりわけ賃貸経営を手がけていますと、季節の日めくりとともに事が運ばれるだけに、新しい年の始まりは感慨深いものがあります。

景気が上向き指向にある分、消費も堅調で、お部屋をお探しのお客様もその分予算に幅を持たせる傾向があります。

景気が持ち直していることから、今春の賃貸市場では物件の活発な動きが予想され、賑わいに期待を寄せています。

また、例年の通り、1月も10日を過ぎますと、新生活準備のお部屋探しに多くのお客様が来店されます。
オーナー様には空室、入居条件の確認に、急なご連絡を差し上げることがありますので、携帯電話等にご注意ください。

それでは今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。




「2016年版 東京23区の家賃相場が安い駅ランキング」
東京23区内でも家賃相場が安い葛飾区
4駅ランクインした足立区と江戸川区



「東京23区の家賃相場が安い駅ランキング」(2016年版)がリクルート住まいカンパニーから発表されました。
家賃相場と駅との関係が読み取れますので、紹介します。

最も家賃相場が安かったのは、JR常磐線・金町駅で5.9万円。
金町駅の隣駅の亀有駅は8位で、家賃相場は6.14万円。
わずか1駅違いで家賃相場に2400円の開きが見られます。

1位の金町駅、8位の亀有駅は、東京メトロ千代田線と直通運転するJR常磐線の駅で、大手町駅や霞ヶ関駅、赤坂駅、表参道駅といった都心部へ乗り換えせずに行くことも可能。
また、金町駅の南口には5位にランクインした京成金町線・京成金町駅があり、周辺住民は行先に応じて2路線を使うことができます。
2位は上記の京成金町駅から1駅の柴又駅。

ランクインした駅は葛飾区が多く、トップ15のうち7駅が半径2.5キロメートルほどのエリアに集中しています。
葛飾区は東京の東端に位置し、区堺を流れる江戸川を東へ渡ると、そこはもう千葉県。
こうした立地から、東京23区内でも家賃相場が安いと推測されます。

都心へのアクセスのよさが人気

葛飾区に次いでトップ15に多かったエリアは、ともに4駅ランクインした足立区と江戸川区。
葛飾区の北に足立区、南に江戸川区が隣接しており、東京23区を東西に分けて考えると両区とも葛飾区同様に東側に位置しています。

葛飾区、足立区、江戸川区のいずれでもない駅は2駅のみで、3位に板橋区に西高島平駅と、14位に世田谷区の喜多見駅がランクイン。
3位の西高島平駅は、都営三田線の終着駅。
駅から600mほど西へ進むと埼玉県和光市という板橋区の端にあり、都内の地下鉄駅で最も北に位置する駅です。
「東京の端」と聞くと不便なイメージを持つかもしれませんが、都営三田線1本で都心の神保町駅や大手町駅、日比谷駅にアクセスできます。