2017年11月号エスト賃貸経営新聞の賃貸経営新聞|埼玉 不動産投資|株式会社エストハウジング

2017年11月号エスト賃貸経営新聞

賃貸住宅の新設にブレーキが利き始め、供給過多が落ち着く傾向見せる
『投資の一服感』の中、変革の広がり進む


国内景気が戦後2位の「いざなぎ景気」を超えたといわれ、最新の各種の経済指標においても景気回復の力強さを示しています。
賃貸市場におきましては、大きな波乱もなく推移していますが、次代の変革の波は様々な分野に広がろうとしています。

国内景気は輸出の好調、株式市場の上昇、設備投資の増加等の好調を反映して政府の基調判断も上方修正されています。
不動産全般の景況感も都市の再開発事業やインバウンド需要の高まりで、不動産投資意欲が旺盛な動きを見せています。

そうした中、賃貸市場の最近の主だった動きですが、賃貸住宅の新設にブレーキが利き始め、新築の供給過多が落ち着きつつあることが挙げられます。

国土交通省が発表した直近8月の新設住宅着工数によると、全国の貸家の新設着工戸数によると、全国の貸家の新設着工は、前年同月比4.9%減で、3ヵ月連続の減少。
東京都内においても8月の貸家新設は、前年同月比5.8%減で5ヵ月連続の減少となっています。
需要が逼伯している半面、空き家も目立つ東京市場において、5ヵ月連続の減少は注目されるところです。

賃貸住宅の新設にブレーキがかかっていることに、日本銀行は早くから『投資の一服感』の判断をしていましたが、3ヵ月に一度公表される地域経済報告「さくらレポート」の10月分で、住宅投資の賃貸住宅関連について次の通り報告しています。

「貸家の着工は、相続税の節税対応や資産運用手段として高水準で推移しているものの、郊外での空室率上昇などから着工ペースは鈍化している」(大阪・神戸)、「貸家では、個人資産家による節税対策としてのアパート建設が引き続き多くみられるほか、耐震性確保のために老朽物件を建て替える動きもみられている。
ただし、最近では、金融機関のローン審査が通らない案件も散見される」(名古屋)。

賃貸住宅の新設は地域の需要に応える「市場性」を総合的に判断

やはり、市場の現状に敏感に反応して、ここ2年程続いた相続対策をメインとする一辺倒の新設投資が鈍ったものとみられます。

ただ、基本的には入居者は新築を好む傾向は強く、新築を優先して探しています。
それだけに新築は入居者を集める競争力が強いことから、時代の動きとは別に市場においては、新築を求める声は貸主・借主ともに根強いものがあります。
賃貸住宅の新設については、要は地域の需要に応える「市場性」を総合的に判断して対応することに尽きるのです。

賃貸市場の変革については、10月1日から国土交通省が本格運用に踏み切った「IT重説」の及ぼす影響は小さくなく、賃貸市場、経営ともにIT化の動きが一気に加速するのではないでしょうか。

あと2ヵ月もすれば年が明け、恒例の新春の商戦が始まりますが、試行錯誤の中、「IT重説」も本格化しそうです。




ニュースフラッシュ
「不動産価格と不動産取引に関する調査報告書」
賃料、成約件数ともに上昇予測は小さい



全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)はこのほど、不動産取引価格、について調査、分析した「不動産価格と不動産取引に関する調査報告書~第6回不動産市況DI調査~」を公表しました。
その中で、居住用賃貸物件の「賃料の動向」「成約件数の動向」「空室率の動向」について取り上げています。

調査は7月ですが、「3ヵ月後(H29.10.1)はどうなると予測しますか」の問いに対して、「賃料の動向」では、全国平均で「横ばい」が62.8%、「やや下落している」が33.9%となっています。
「成約件数」については、「横ばい」が57.6%、「やや下落している」が35.6%。

また、「空室率の動向」については、「横ばい」が43.7%、「やや下落している」が44.0%となっています。
これはあくまでも全国平均で、地域によってプラマイの差異を生じていますが、賃料、成約件数ともに上昇予測の声は小さく、弱気の見通しが多いのが目立っています。




10月25日「新住宅セーフティネット法」スタート
住宅確保要配慮者に賃貸住宅の活用図る


賃貸住宅の活用を図る新しい住宅セーフティネット法の「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案」に基づく新制度が、10月25日から始まりました。

第193回国会において成立した新しい住宅セーフティネット法の「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する賃貸住宅の供給の促進に関する法律案」は、10月25日から制度の運用がスタートしました。

新住宅セーフティネット法の狙いは高齢者、低額所得者、子育て世代、障害者、被災者などの住宅の確保にとくに配慮を要する人達(住宅確保要配慮者)の入居を拒まない賃貸住宅登録制度を創設して、住宅セーフティネット機能の強化を図るというものです。
実用化に向けて動き始めましたが、適時に運用することで賃貸住宅の新しいマーケットが見込まれるため、期待が寄せられています。

新しくつくられる制度は、空き家の所有者が物件を都道府県等に登録し、各自治体が物件情報を提供する仕組みで、2020年度末に登録戸数を全国で17万5千戸確保する計画です。

改修費の支援や家賃債務
保証料、家賃低廉化に補助


登録制度の創設については、空き家等を住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として賃貸人が都道府県等に登録し、都道府県等は登録住宅の情報開示を行うとともに要配慮者の入居に関し賃貸人を指導監督する、登録住宅の改修・入居への支援を実施する、となっています。

およそ3年間で17万5千戸の登録戸数を確保するために、改修費の補助や家賃債務保証料、家賃低廉化に補助を見込んでいます。
また、不動産関係団体などの活動に国が補助して、住宅情報の提供、相談の実施等の業務を支援します。

ところで国土交通省のデータによりますと、貸主の入居拒否感が強いのは、単身の高齢者、生活保護受給者、高齢者のみの世帯、一人親世帯とされています。
しかし、単身高齢者について今後10年間で100万世帯の増加が見込まれ、このうち賃貸住宅入居者は22万人と見られるのです。

また、家賃滞納、孤独死、子どもの事故、騒音等のトラブルを案じて入居拒否する傾向があることから、安心して暮らせる住宅の確保を可能とする住宅セーフティネット機能の強化が重要な政策課題となっています。
そのためにも空き家等を活用し、住宅ネット機能の強化を図ろうとするのが新法案の主旨です。




賃貸経営ワンポイントアドバイス
入居者へのサービスメニューの一つとして
「DIY可能」を取り入れることも必要では



着実な広がりを見せています

自分流に模様替えするDIYが人気を呼んで、静かなブームになっています。
インターネットの賃貸住宅の検索サイトにおいても「DIY可の賃貸住宅」として分類されて掲載されているほどです。

DIYとは入居者が自分の負担で、許されている範囲内の改修を自由に行うことです。
平たく言えば、ホームセンターなどで購入した部材を使って、日曜大工で部分的な改修を施すものです。
当初は入居の決定時にサービスの一環として、決められた壁紙を張り替える程度でしたが、入居者のニーズの多様化と賃貸住宅に長く住みたい層が増えていることや、DIYを推進する国土交通省の「DIY型賃貸借の活用」といった提案などもあって、着実な広がりを見せています。

オーナー様の一般的な声としては、DIYへの取組みを全く手がけていない、今後もやる予定はないといった乗り気薄の傾向から、今後機会があれば積極的にやっていきたい、すでに何年も前から壁紙の貼り替えは自由にやってもらっていると前向きな声まで、様々な動きがあります。

ただ、部分的な壁紙の貼り替え程度なら了解を取って自由にやってもらっていいが、業者による大幅な施工が伴うと通常の賃貸借契約のほかにDIYに関する使用契約上の取決めも必要となってくる、などの新たな問題も出てきます。

これからの賃貸経営を考えますと、入居者へのサービスメニューの一つとしてDIY可能の採用は、程度の差はありますが、工夫して取り入れることも必要ではないでしょうか。

かつては柱や壁に釘一本打ってはダメ、床材やクロスに手をかけてはいけない、原状回復は完全履行すべし、と厳しく対応してきましたが、多様な入居者ニーズに応えるためにも、もう少し融通を利かそうというのがDIYの発想と言えそうです。




ちょっと一服
日々の暮らしのささいなことに一喜一憂しないでいきたいものです


景気動向や経済指標の物差しとして「DI」(ディー・アイ)が良く知られています。
なかなか実態が捉えにくい景況感や業況判断などを指数化して表したもので、調査対象の概要を把握するのに用いられます。

話が飛びますが、病気の気、景気の「気」について、『広辞苑』にはこんな風に書かれています。
「心の動き・状態・働きを包括的に表す語」で、気が重い、気を落とす、気を揉む、気を取り直すなど、気が使われた言葉遣いが実にたくさんあります。

これもよくいわれる例えですが、病は気からで、気持ち次第で悪くもなり、良くもなる。
景気の善し悪しも弱気が先行して物の売り買いが鈍って経済活動が委縮することで、景気循環を悪くしてしまうことになりかねない、と。

「DI」も「気」も非常にデリケートなところを内包していて、ほんのわずかな捉え方で上に下にとズレ込んで、実情とは違う結果を見せたりします。
私達の日々の暮らしにおきましても、ささいなことにあまり一喜一憂しないでいきたいものです。




「2016年度賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査(首都圏版)」(リクルート)
Wi-Fi・浴室乾燥機・宅配BOXの必要度が高まる
「駅からの距離」より間取り・設備・内装を優先する傾向



リクルート住まいカンパニーがこのほど公表した、「2016年賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査(首都圏版)」の結果を見ると、部屋探し開始から契約するまでの期間は、平均18.7日で、8割以上の人が「1日~30日(1ヵ月)未満」で契約をしているのが分かりました。

世帯構成別に見ると、「ひとり暮らし・学生」の平均期間は8.4日と短く、「2人」「ファミリー」は20.9日と長くなっています。
また、調査で次のようなことがはっきりしました。

「駅からの距離」より「間取り」「設備」「内装」を優先する。
「耐震性」「外装」「遮音性」「断熱・省エネ」は優先度が低く、通勤時間は平均40.5分。
30分未満、1時間以上がそれぞれ3割弱を占めています。

次に引っ越す時に欲しい設備については、「エアコン付き」「都市ガス」「TVモニター付インターフォン」が上位を占め、「Wi-Fi」「浴室乾燥機」「宅配BOX」などの必要度が昨年より高まっています。

「エアコンの定期清掃サービス」が人気

世帯構成別に見ると、「2人」「ファミリー」で設備全般に必要度が高めで、「一人暮らし・学生」では、「宅配BOX」「温水洗浄便座」の必要度が8割以上で高い。

一方、魅力を感じる付帯サービスは、「家賃ポイントシステム」が1位で、「エアコンの定期清掃サービス」「24時間カスタマーセンター」「クレジットカード決済サービス」の魅力度も高い結果となっています。
年代の若い層が『クリーニング関連サービス』に魅力を感じやすいようです。

実家と一人暮らしをした賃貸住宅性能の満足度を比較すると、~20代では実家、30代以上では賃貸契約物件の満足度が高くなっています。



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