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2018年4月号エスト賃貸経営新聞

調査発表データから見る賃貸住宅・若年層入居者の「最新の傾向」
新社会人の住み替え時の初期費用は平均17.2万円


賃貸住宅入居者の最新の傾向を、ここ1~2ヵ月に公表された調査発表資料から見ていきたいと思います。
今時の入居者の横顔と、部屋探しに対する考えや環境などがまとめられています。
入居者の気持ちが凝縮されているようです。

不動産情報サービスのアットホームの「30歳未満の学生・社会人の部屋探し徹底調査」結果によると、間取りは4割以上が「1K」。
社会人は広めの物件を選ぶ傾向。
平均家賃は学生4.8万円、社会人5.6万円で、学生男性のみが当初予算を下回り、「初期費用は学生・社会人ともに男性より女性の方が高い」となっており、探し始めてから契約までにかかった日数は、学生で「1日」、社会人で「2週間くらい」が最多。

学生、社会人とも男性より女性の方が時間をかけて探す傾向となっています。
また、学生の7割以上、社会人の8割以上が部屋探しにスマートフォンを利用し、利用したサイトは学生・社会人ともに「不動産ポータルサイト」がトップ。

そして、家賃以外で重視したことは、学生は「通勤・通学時間」、社会人は「間取り・広さ」がそれぞれトップで、設備では学生・社会人ともに「独立したバス・トイレ」を重視。
妥協したことのトップでは、学生、社会人ともに「築年数」。
設備では学生は「追い焚き機能付きバス」、社会人は「収納の広さ」を妥協しているようです。

同じく、アットホームの「新社会人住み替え資金事情」調査によると、新社会人の住み替え時の家賃の平均は5.7万円、敷金は4.3万円、礼金は3.2万円。
敷金、礼金、仲介手数料などの初期費用は平均17.2万円で、住み替えの際、初期費用を抑えることを7割強が重視しています。
親から初期費用の援助があったのは約48%で、初期費用の親からの援助額の平均は7.8万円となっています。

首都圏在住者の約41%は契約更新時に引っ越しを検討

ところで、都市再生機構(UR都市機構)が実施した「賃貸住宅居住者に聞く引っ越しに関する調査」結果によると、首都圏在住者の約41%が契約更新のタイミングで引っ越しを考えており、全体の約70%が保証人を「頼みづらい」と感じ、20~30代の3人に1人は保証人制度が「よくわからない」と回答。

リクルートマーケティングパートナーズの「新婚生活実態調査2017」によると、結婚を機とした新居への住み替え状況は、「新たな住居に引っ越した人」は約67%、「どちらかの住居に引っ越し、または以前からの住居に居住した人」は約33%です。
結婚を機とした新生活準備費用は平均56.3万円。

また、レオパレス21の「ひとり暮らしと新生活」に関する意欲・実態調査によると、新生活で新たに購入したい家電機器の1位はパソコン、次いでテレビ、電子レンジ・オーブンレンジ、洗濯機、炊飯器の順となっています。




賃貸住宅・不動産市場の現況
2017年1年間の首都圏の居住用賃貸物件成約数は2年連続マイナス


賃貸住宅・不動産市場の現況を各社からの発表データが次の通り捉えています。

●帝国データバンク(TDB)の2月調査の「TDB景気動向調査(全国)」結果によりますと、2018年1月の景気DIは0.8ポイント減の50.3。50台は維持したものの、2017年1月以来、1年1ヵ月ぶりに悪化。国内景気は、拡大基調が続く中、大雪や人手不足の深刻化、コスト負担増が下押し圧力となり一服しています。

●日本不動産研究所が発表した「住宅マーケットインデックス2017年下期」の調査結果によりますと、2017年下期の都心5区のマンション賃料は、新築及び中古の大型と標準タイプは上昇しているが、小型タイプはほぼ横ばいで推移しています。

住みたい街総合ランキング
関西の1位は「西宮北口」


●不動産情報サービスのアットホームは、1都3県の首都圏における2017年1年間の賃貸物件の成約数・成約賃料を発表しました。首都圏の居住用賃貸物件成約数は23万4444件で前年比0.8%減少し、2年連続のマイナス。
1戸当たりの成約賃料の首都圏平均は、マンションが8.80万円で前年比0.7%上昇し、再びプラス。アパートは6.35万円で同2.4%上昇し、5年連続のプラス。

●リクルート住まいカンパニーが発表した「みんなが選んだ住みたい街ランキング2018関西版」では、大阪府民は「梅田」を選んだほか、兵庫県民「西宮北口」、京都府民「桂」、奈良県民「大和八木」、滋賀県民「草津」、和歌山県民「和歌山」をそれぞれ1位に選んでいます。なお、住みたい街(駅)総合ランキングの1位は「西宮北口」。




ニュースフラッシュ
全国主要都市の地価は全体として緩やかな上昇基調が継続しています


全国の主だった都市、100地区の地価動向を3ヵ月に一度まとめた主要都市の高度利用地地価動向報告書「地価LOOKレポート」が、国土交通省から公表されています。

現地を不動産鑑定士が調査士、地区の金融機関の声を聞いてまとめているだけに、内容の濃いレポートとなっています。
日本の不動産投資の現況を知るデータとして参考になります。

公表された最新の平成29年第4四半期(29年10月1日~30年1月1日)を見ると、主要都市の地価は全体として、緩やかな上昇基調が継続しているようです。

上昇基調を支えている要因として、空室率の低下等オフィス市況が好調で、再開発事業の進捗により繁華街が向上し、訪日観光客による消費・宿泊需要が旺盛な事。
そして、雇用・所得環境の改善や良好な資金調達環境の継続等を背景に、オフィス、店舗、ホテル等に対する投資が引き続き堅調である、と挙げています。
確かにこうした歯車がかみ合って需要の高まりを見せているようです。




動き出した「民泊」の最新事情
民泊新法の施行に先立って運用始まる


本年6月より施行される「住宅宿泊業法」(民泊新法)に先立って、3月15日から住宅宿泊事業の届出や住宅宿泊管理業者の登録申請の受付が始まりました。
動き出した「民泊」の最新事情です。

5年前の平成25年に、東京、大阪など「国家戦略特別区域」で先行した「民泊」事業。
多様化する宿泊ニーズに対応するため、民泊新法案の「住宅宿泊事業法案」が昨年6月に可決、成立して以来、賃貸住宅の空き部屋を宿泊施設として有効活用できると、期待感が膨らんだ民泊の本格的な運用がいよいよ一歩踏み出しました。

ここ数年、訪日外国人旅行者関連のビジネスは大変な賑わいで、平成29年1年間の外国人入国者数は約2743万人と、前年に比べ18.1%の増加。
2020年には訪日客4千万人の目標が立てられています。
こうした宿泊需給への対応と世界各国でインターネットを通じて短期旅行者に部屋を紹介する民泊ビジネスが広まって、一気に民泊サービスが一般化したものです。

公衆衛生の確保や地域住民とのトラブル防止、無許可で旅館業を営む違法民泊への対応が盛り込まれた住宅民泊事業法が今年6月15日から施行されることから、民泊の環境整備が進み、それに先立ち、3月15日から住宅宿泊事業の届出や住宅宿泊管理業者の登録申請の受付が始まりました。

今後の展開は法律施行後の運用経緯を見て判断

住宅宿泊事業法では、住宅宿泊事業者が家主不在型の民泊を行う場合、住宅宿泊管理業者への管理の委託が義務となっており、委託は契約により行うこととなっています。
そのために、国土交通省は適正な民泊サービスの推進を図り、トラブル防止のために「住宅宿泊管理受託標準契約書」を策定しました。

社会の民泊への関心は高く、民泊の負の部分や懸案事項が連日のように報道される中、賃貸業界では、民泊事業に慎重な姿勢が多く、当面、本格的な動きは見込まれていないのが現状です。
しかし、違法民泊の罰則関連や民泊新法の厳格な運用、自治体の厳しい取り締まりが始まると、民泊ビジネスの動向に変化が生じることも考えられます。

現在の賃貸住宅を活用して民泊事業を始めた場合、一時的に売り上げに貢献しても環境が乱れて、今、入居している入居者が嫌気をさして退去していけば、元も子もありません。
主客転倒となってしまいます。
この辺の見極めが難しく、運用されてからの経緯を見るしかないようです。




賃貸経営ワンポイントアドバイス
万一に備える相続税対応は、成功する賃貸住宅経営の延長線上にあるスキル


10ヵ月以内に現金で納める

個人が手がける事業としての賃貸経営の特徴は、投資金額が大きいことと長期にわたることが挙げられます。
そのために次代、つまり子や孫に引き継いで、できるだけ長く安定した経営を継続することが理想とされます。

そこで一つの課題となるのが、相続のあり方と相続税対応です。
相続税は死亡後の税金の話ですから、気が進まないものですが、万一に備えて、諍いの原因を残さない事前の準備も、成功する賃貸経営の延長線上にあるスキルではないでしょうか。

万一に備える相続税のあり方について基本的なことを3回シリーズで取り上げたいと思います。
1回目は「相続税の概要」について見ていきます。

相続税は、亡くなった方の遺産を相続した時に課税される税金で、相続した現金、預貯金、株式、不動産などの財産から被相続人の借り入れ金などの債務を差し引いた正味の遺産額に対して課税されます。
被相続人が死亡した日の翌日から10ヵ月以内に所轄(被相続人の住所地)の税務署に現金で納めます。

一定の要件を満たせば最長20年の「延納」も可能ですが、利子税が別途かかります。
また現金で納付できない場合、「物納」することができます。

物納については、物納財産の評価基準が3種類に分けられ、不適格財産は取り扱われません。
境界がハッキリしない土地や担保権が設定されている土地、公道に通じない土地等は不適格財産とみなされます。
相続で取得した土地の税金がいくらになるのかの評価方法として、路線価方式と倍率方式があります。

なお、平成27年1月から相続税の基本控除が見直され、「3千万円+(法定相続人数×6百万円)」に引き下げられ、相続税の最高税率が50%から55%に引き上げられました。
この相続税増税が投げかけた波紋として、賃貸経営の関心が高まり、全国的に賃貸住宅の新設が相次ぐことになります。(続く)




ちょっと一服
春のシーズンも後半、気を緩めず仲介業務に力を注いで参ります


春はやはり気持ちが和みます。
冬の間、着用した厚いコートを脱ぎ、春物セーターに着替えて道を行けば、木々の芽のふくらみをみつけて、ああ春だと実感します。
そして、各地から桜の便りが届き、人の往来も日々、活況を呈して、新しい入居者の方の生活ぶりを横目に見ながら、東奔西走する今日この頃です。

4月の声を聞き、春のシーズンも後半に入りましたが、部屋を探すお客様はまだまだたくさんおられます。
これからもしばらく、気を緩めずに仲介に力を注いで参ります。

今月号は、『今時入居者の傾向』として、部屋を探す気持ちや考えを各社のアンケート調査から見てみました。
時代の変化する空気が映されていますが、基本的なことは大きく変わっていないようです。

高齢化が社会のあらゆる面に影響を及ぼしている今日、「孤独死」という言葉を聞けば一瞬ギクッとしますが、これからの賃貸経営において、避けて通れない課題ではないでしょうか。
日本少額短期保険協会の「孤独死現状レポート」が参考の一端になるでしょうか。




「第3回孤独死現状レポート」
孤独死の第一発見者で最も多いのは
不動産の管理会社・オーナー



「孤独死」は一人住まいの方なら直面する現実です。
そして、入居者の人生に寄り添う側面を持つ賃貸経営の立場から全く無視もできません。

孤独死と賃貸経営の関係を一般社団法人日本少額短期保険協会が、このほど「第3回孤独死現状レポート」としてまとめていますので、レポートのポイントを紹介します。

同協会の孤独死対策委員会各社が持ち寄った孤独死支払案件データを統計化し、賃貸住居内における「孤独死の実像を統計データで示した」初めての賃料です。
孤独死のデータを集積、分析し、孤独死の実態について、業界内外に発信することで、孤独死の問題点やリスクについて社会に広く知ってもらうことがレポート発表の主旨といいます。
なお、レポートでは孤独死の定義として「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った一人暮らしの人」としています。

家賃の支払いが滞って孤独死の発見につながる

孤独死の平均年齢は男女とも60歳を超え、男女の人数比率についてはおよそ8:2。
統計開始からこの割合は変わっていない。
50代までの現役世代の孤独死は男女ともに全体のおよそ4割を占める。

孤独死者の死亡原因としては、病死が6割を超える一方で、自殺の占める率も高く、孤独死者の死因の12%を占める。
厚労省統計による志望者の全死因に対する自殺率は1.9%前後で、孤独死者の自殺割合は高い。

孤独死の第一発見者で最も多いのは不動産の管理会社・オーナーで、27%を超える。
家賃の支払いが滞ったり、郵便物が溜まっていることにオーナーが気づき、孤独死の発見につながるケースが多い。
また、他人が発見者となる場合では、近隣住民からの「異臭」や「郵便物の滞留」により発見する事例が多い。
男女別で第一発見者の構成を比較すると、近親者による発見が10ポイントほど女性の方が高い。

この他、発見の原因や発見方法、残地処理費用などの損害額、孤独死にどう対応するかが掲載されています。
レポートを取り寄せて一読されてはいかがでしょうか。



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