2021年1月号エスト賃貸経営新聞の賃貸経営新聞 | 埼玉の不動産投資・収益物件・建物管理|株式会社エストハウジング

2021年1月号エスト賃貸経営新聞

新型コロナウイルス感染症のリスクを抱えながらも緩やかな上向きに期待
例年と違うコロナ禍における賃貸経営の舵取り


新年明けましておめでとうございます。
厳しいコロナ禍の中、気持ちも新たにオーナー様とともに賃貸住宅経営に取り組んで参りたいと思います。
夏に東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されていますが、今年はどのような年になるのでしょうか。


国土交通省は平成31年4月、不動産業に携わる全てのプレーヤーが不動産業の持続的な発展を確保するための官民共通の指針として、およそ四半世紀ぶりに「不動産業ビジョン2030~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~」をとりまとめました。

この中で賃貸住宅について、「建設投資を巡るトラブルが多発していることを踏まえ、オーナーが新たに賃貸住宅を供給しようとする際には、市場ニーズや賃料収入の減少等による事業のリスクに関する情報が、オーナーに適切に提供される環境を整備する必要がある」としています。

住宅政策における賃貸経営の重要性を十分に認識

さらに「賃貸住宅は、住宅確保要配慮者、急増する単身高齢者、外国人など多様な世帯の住まいの確保といった観点から重要な役割を担っていることから、賃貸住宅のオーナーは、居住者に良質な住居空間を安定的に提供する責務を負っていることを十分理解する必要がある」と、やや踏みこんで記載しています。
国としても住宅政策における賃貸経営の重要性を十分に認識しているのではないでしょうか。

ところで、足元の経済の情勢ですが、景気の見通しについて、内閣府が令和2年12月8日に公表した、景気の指標となっている11月の景気ウォッチャー調査で、「新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさが残る中、持ち直しに弱さがみられる。先行きについては、感染症の動向に対する懸念が強まっている」とまとめています。

また、(株)帝国データバンクの令和2年11月調査は「国内景気は、下旬にかけてやや鈍化したものの、緩やかな持ち直しが継続した。今後の景気は、足元の感染再拡大への対応にともなう下振れリスクを抱えながらも、緩やかに上向いていくと見込まれる」と捉えています。

ところで、令和3年の賃貸住宅市場の予測ですが、インターネットによる「各種不動産評価」の情報を提供している(株)タスが公表した「2021年首都圏賃貸住宅市場の見通し」がよく表しているようです。

東京23区について、「世帯数の増加幅がコロナ前の状態に戻らない限り、2021年の東京23区の需給ギャップは、拡大傾向で推移し、賃料指数は当面上昇基調を維持すると考えられます。しかし感染再拡大により景気回復が遅れると、2021年中旬以降に下落基調に転ずる可能性がある」との見方です。

気を引き締めてオーナー様をバックアップ

このように、新型コロナウイルス感染症のリスクを抱えながらも緩やかな上向きに期待したいところです。

とにかく今年は例年と違い、新型コロナウイルス感染が拡大している中での賃貸経営の舵取りが求められています。
一年間気を引き締めて、オーナー様をバックアップさせていただく所存です。




賃貸住宅市場最新ニュース
消費者庁、サブリースに関するチェックポイント4項目を公表


消費者庁はこのほど、「賃貸住宅経営(サブリース方式)の契約を検討されている方向けの注意点をまとめた資料」を公表しました。

全国の消費生活センターに寄せられたサブリースに関する消費生活相談件数は、平成28年度から年間300件を超え、近年は年間450件を超える件数で推移していることから、サブリースに関する注意点をまとめたものです。

主なチェックポイントは次の4項目です。

(1)契約期間中や契約更新の際、賃料が減額される可能性があることを知っていますか。
(2)契約期間中でも、契約が解約される可能性があることを知っていますか。
(3)原状回復費用や大規模修繕費用は原則、オーナー負担であることを知っていますか。
(4)契約締結前に重要事項の説明、契約締結時には書面の交付があることを知っていますか。




「コロナ禍における生活意識と行動に関する実態調査」結果


TOTO(株)はこのほど、「コロナ禍における生活意識と行動に関する実態調査」結果を公表しました。
コロナ禍による生活者の住宅への意識や生活行動の変化、リフォーム意向をトイレ、洗面所、浴室、キッチンなどの水回りを中心に把握するために、令和2年8月に実施したものです。

それによりますと、自宅で過ごす時間が増え、水回りではとくに洗面所での行動が増えた人が多く、キッチン、トイレ、洗面所では掃除や片付け頻度が増えた、またトイレ、キッチンでは除菌をしている人が多いといった結果になっています。

自宅を「リラックスできる空間」「安全・安心を確保できる空間」「衛生的な空間」にしたい人が多い反面、困りごとは「光熱費がかかる」「掃除が大変」「衛生面が気になる」人が多いことが分かりました。




ニュースフラッシュ
国土交通省「地価LOOKレポート」
コロナ禍の影響による需要減の様子見続く



令和2年7月1~10月1日の全国100地区・主要都市の高度利用地等における地価動向を四半期毎に調査した「地価LOOKレポート」(国土交通省)によりますと、前期調査に引き続き1地区を除いて横ばいまたは下落となりました。

上昇地区数は1地区で前期と同数で、横ばい地区数が61地区から54地区に減少し、下落地区数が38地区から45地区に増加しています。
用途別では商業系が住宅系より下落地区の割合が高く、地域別では大都市圏が地方圏より下落地区の割合がやや高くなっています。

こうした結果の主な要因は、やはり新型コロナウイルス感染症の影響により、ホテルや店舗等の収益性の低下による需要の減退が見られ、ユーザーサイドの様子見傾向が継続していることが挙げられています。

ただ、リーマンショック時の地価下落の主因となった、マンションやオフィスの需給バランスに大きな変化は見られない、と捉えられています。




不動産業の「サービス産業化」が急速に進化
賃貸経営の環境変化も余儀なくされる


コロナ禍によって私たちを取り巻く生活環境が一変する一方、不動産業の「サービス産業化」が急速に進化しています。
進化を支えているのはAI、IoTの最新技術です。

不動産市場に対する消費者のニーズは年々変化を遂げています。
国土交通省が公表した不動産業発展の指針「不動産業ビジョン2030」の中で、「『借地、借家でも構わない』がこの20年で約6割増え、『所有から利用へ』の傾向が進行」していると捉えています。

もともと、‟不動産イコール情報産業”といわれていたものが、さらに進化して不動産流通の変化と相まって、情報化にサービスの要素が加わり、「サービス産業化」の色合いをさらに強めているといえそうです。

こうした市場のニーズに応える「不動産のサービス化」を支えているのが「不動産テック」です。
テクノロジーの力によって、新しい仕組みを生み出したり、従来の商習慣を変えて商品価値を高めようというもので、サービス領域は、AI(人工知能)を利用したスマートロック、防犯カメラ、VR(バーチャルリアリティ)を利用した内覧システムなどと幅広く、ここ1年に見られる高機能化のスピードには目を見張るものがあります。

賃貸仲介現場のIT化
コロナ禍によって拍車かかる


賃貸経営を支援する不動産テックについては、インターネットを使った物件の広告・PRを通じて早くから使われてきました。
中でもインターネット・Wi-Fiの人気が高く、設備の取り付けに工夫をした実績を持ちます。
この後、スマホを利用したカギの管理が進んできたところにコロナ禍によって、非対面化が求められ、VRを含めたIT化の実用化が急浮上しているものです。

さらに、ハイレベルなメカニックの実用化が進み、不動産契約に関する重要事項説明(重説)をITを活用して行うIT重説の本格運用を機に、賃貸現場のIT化が加速しています。
スマホ、タブレット、パソコン等のテレビ会議機能の利用がコロナ禍によってさらに拍車がかかっています。
私たちを取り巻く生活環境が一変するとともに、賃貸経営の環境も変化を余儀なくされたことから、不動産テックを活用したサービスはさらに進化を遂げていると見られます。




賃貸経営ワンポイントアドバイス
「攻めの賃貸経営」で賃貸事業の活性化図る
身の丈にあった範囲内で前向きに取り組む



積極的に打って出る

年が明け、気持ちも新たに、「攻めの賃貸経営で、賃貸事業の活性化を図る」といったテーマでまとめてみたいと思います。

昔からよく『攻撃は最大の防御なり』とたとえられます。
いたずらに守りに入るのではなく、積極的に打って出ることで勝機をたぐり寄せるといった発想です。

賃貸経営においても、まったく同様で、機を見てアイデアや工夫を講じた上、果敢にチャレンジして少しでも売上増、つまり入居率アップに貢献する手はずが重要ということです。

では、コロナ禍で社会が大きく変化し、企業のテレワーク採用の広がりなどにより、市場の賃貸ニーズにも変化の兆しが見えている今日、「攻めの賃貸経営」とは、どのような「経営」を指すのでしょうか。

「攻める」のですから、積極的に前に出ていくのですが、闇雲にあれこれ手がけるのではなく、時代のニーズに応える経営を身の丈にあった範囲内で、前向きに取り組むことではないでしょうか。

それなら何も「攻める」とわざわざ言わなくても、普段から何をするにおいても慎重に足下を固め、プランを立てて実行している、と指摘されそうですが、「攻める」言葉のニュアンスとして、一歩前に出る意欲が挙げられます。
攻めといっても地域の特性に見合った、市場性に基づくことは必須です。
その上で、予算や経営環境を十分に考慮して着手したいところです。

新しい需要を掘り起こす、ほかにはない特性を生かす、プラスアルファの特徴を持たせることで、注目度を上げて入居の促進につなげるといった発想です。
入居率を高めるために、多様なノウハウを活用して取り組む必要性が求められているのです。

こうした賃貸住宅の取り組みには、最新のノウハウとともに総合的なプランニングが必要とされますので、弊社に何なりとご相談ください。




ちょっと一服
コロナ禍の中、新春の賃貸ビジネスがスタート


部屋をお探しのお客様が、水回り施設に高い関心を寄せられていることはよく知られています。
トイレは汚れが目立つだけに関心度も高く、清潔なトイレの物件は入居決定が速いのも事実です。

国土交通省では東京オリンピック・パラリンピックを前に、トイレの適正利用推進の「トイレ利用マナー啓発キャンペーン」に力を入れています。
また、今後のトイレ整備のあり方と多様な利用者に配慮したトイレの環境整備を進めるため、調査研究会を開催しています。
時代が変わってもトイレに対する関心が強いことを示しているようです。

年が明け、新春の賃貸ビジネスがスタートしました。
コロナ禍の中、どのような商戦になるのか、お客様の出足が気になるところです。

オーナー様に置かれましても、入居者を迎える準備、手配をお願いします。
空室確認、条件等の最終打ち合わせに急なご連絡を差し上げることがありますので、携帯電話は必ずお持ちください。

それでは今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。